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写真 272

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昨年の12月28日、私は新大阪AM6:00発東京行きの新幹線へ乗り込み病院へ向かった。
父が倒れたのは3日前、脳内出血ということだった。
どうやらもう駄目らしく、すでに母は葬式の準備やら父の持ち物の片付けなどで頭が一杯らしかった。
私は病院のICUへ駆け付け、ベッドに横たわる父と久しぶりの対面をした。
私は父にはあまり良い思い出がない。父と私は何かにつけ折り合いが悪く、度々衝突した。そして私はいつも打ち負かされ、私は父が憎らしかった。
私にとってとてつもなく強かったそんな父が、もういつ死んでもおかしくない状態だという。
何だか信じられなかった。今、目の前にいる父は穏やかに眠っているようにしか見えず、すぐにまた起き上がってきそうに思える。
顔色もそんなに悪くない。手を握ってみると温かい。死ぬということが不思議に思えた。
私は病院の先生に「撮ってもいいですか?」と聞いた。先生は怪訝な顔をして「撮ってどうするのか?」と聞き返してきたので、私は「生きた父と会えるのはもうこれが最後だと思うので」と答えた。
私は今大阪で一応それなりに責任ある仕事をしていてあまり時間が無い。今回もかなり無理をして時間を作ってきたので、すぐにまたとんぼ返りで仕事に戻らなければならなかった。
「ちょっと相談してきます」といって数分後ICUへ戻ってきた先生は「どうぞお撮り下さい」と言って下さった。
私は父の顔や手、病室などを何カットも何カットも撮り、先生にお礼を言って病院を出た。

父が死んだという一報が今日にもくるかと気になりながら過ごした数日後、意外なことに、父の状態が安定してきたので病院を移ったとの連絡が入った。お医者さんの話によると「生命力が強い。体が生きようとしている」とのことだった。ただし、もう意識が戻ることはないらしい。
今これを書いている2月19日現在、まだ父は死んでいない。
どういう形にせよ、父自身が肉体的苦しみを感じていないなら、少しでも長く生きていてほしいと思う。


Leica M4
NOKTON classic 40mm F1.4 S・C
NEOPAN1600 SUPER PRESTO
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by neopan_ss | 2011-02-19 03:39 | | Comments(0)