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「季節料理 今ぜき」の鮨

八街にある「季節料理 今ぜき」さんが、期間限定で鮨を提供するという。
それも、全てのネタが房総産で、生は一切無く
「〆る」「煮る」「漬ける」等の仕事を施した、江戸前流儀の鮨らしい。
これは食い逃すわけにはいかぬ、ということで、早速訪問してみた。
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つけ場の道具だてには、黄瀬戸、志野、鼠志野、斑唐津、備前、赤絵、吹墨、等の品々が。
竹のおしぼり受け、春慶塗の茶托に青磁の湯呑、ステンのさらし受け、黒漆半月盆、志野小皿・・
これは今日の鮨、わくわくせずにはいられない。


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凛とした尾州檜のネタ箱に、房総産のネタたちが整然と配置されていた。


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山葵がおろされ、八街産の新生姜で作ったという「ガリ」が給仕され・・


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さあ、いよいよだ。


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最初は【ひらめ】
九十九里産。昆布〆だ。
赤酢が使われていて、人肌のふわっとした優しい酢飯。

なお、今回の鮨の写真は一貫づつ写っているが、
実際には全てのネタが二貫づつ提供されている。
同伴者と私に順番に一貫づつ握って出され、それが2順すると次のネタへ移るという流れだ。


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【ひいか】
九十九里産。一枚づけ。
さっと湯通しされている。パリパリとした歯切れが心地良い。


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【こはだ】
富津産。
きたか、大好物のこはだ。
おまかせなので、こちらはネタの順番を知らない。
次に何のネタが来るのか、それも楽しみの一つだ。
なお、こはだは一枚づけが理想だが、今回は「ナカズミ」の型しか入荷しなかった為、
一尾を四貫どりしたとのこと。


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穴子は煮あげた後、提供時に蒸してから握るという。


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【穴子】
富津産。煮つめが塗られている。
蒸したての穴子は口に入れた瞬間にほぐれる程の柔らかさ。


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【いわし】
九十九里産。こはだと同様の仕込み。二枚づけ。
今回、こはだを凌駕する美味さがあった。さすが獲れたて「The 九十九里」


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【赤身】
銚子産。本鮪の「づけ」だ。
やっぱり鮪は、赤身が美味い。


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【さば】
富津産。〆さばだ。
実に良い具合に脂がのっていて、言うこと無し。


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車海老は茹でたて一尾を切って二貫握るとのこと。
美味そうだなぁ。


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【車海老】
九十九里産。一貫目は下半分。
美味い。


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で、二貫目は上半分。
実に美味い。
ずっと噛み締めていたい(笑)


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【かすご】
銚子産。春子と書いて「かすご」と読む。小鯛だ。
この「はるこ」じゃなくて「かすご」は、酢で〆てある。


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【はまぐり】
九十九里産。煮はまぐりだ。煮つめが一塗りされている。
実はこの時期の九十九里のはまぐりは肉厚ではないとのことだが、
それでもいわしと並ぶ「The 九十九里」は、やっぱり嬉しい。


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【あじ】
富浦産。ひと塩してあり、中のおろし生姜との相性ばっちり。
しかし、ここで「あじ」が来たか。
もう結構な種類のネタが出た筈だが、一体何品出るんだ?


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おっと、あわびが来た。
本当は雌貝が適しているところ、今回は雄貝しか入荷しなかったとのことだが・・


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【あわび】
千倉産。酒蒸し。
雄貝、充分過ぎるほど美味い!!


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【かつを】
勝浦産。砂ずりのたたきだ。中におろし生姜。
ほのかに藁火の香りが漂い、
独特の歯応えもあって癖になる美味さ。


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【たこ】
九十九里産。茹で上げられた蛸。
煮切りではなく、九十九里の海水塩が振ってある。
身が締まっていて美味い。


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永遠に新たなネタが続くと思われたが(笑)ようやく終盤。
これから巻物と玉子焼きだ。


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【さるえびのおぼろ巻き】
九十九里産。
おぼろも美味いが、炭火で焼かれた青とびの海苔も香ばしくてまた美味い。
この海苔は木更津産とのこと。


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【かんぴょう巻】
大網産。
なんと、夕顔から手造りしたかんぴょうとのこと。
今回の数々の鮨で、一番驚愕したのは、このかんぴょう巻だ。
こちらの海苔はいわゆる「黒」で、富津産とのこと。この海苔もまた最高。
こんなかんぴょう巻を出すお店が、他にあるだろうか?


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【玉子焼き】
締めは、さるえびの入った玉子焼き。
鞍掛という握りだ。
玉子は平飼い有精卵。八街産。


今日は何種類のネタを食べただろう。たらふく食べた。
聞けば、使用した米は成東産、赤酢と米酢は鎌ヶ谷産、黒砂糖は東金産、
海水塩が九十九里産で、鮨の合間に食していた生姜と粉茶も八街産だという。
山葵と仕込みの塩・粗糖・昆布以外は全て房総産素材というから驚きではないか。
「房総」だけでこれだけの鮨ができるのだ。
素晴らしい!!
本当に、こんな鮨を出すお店が、他にありますか???


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最期に熱々のおしぼりと共に出てきたのが、この桐の楊枝入。
中の楊枝は、ウツギだという。
この楊枝一本、もらってきてしまった。

ご馳走様でした!!!



季節料理 今ぜき
千葉県八街市八街ほ33-29
043-444-2383

# by neopan_ss | 2017-11-23 19:46 |

モノクロ写真

ここ「暗室生活」は、元々はモノクロ写真をアップしているブログであった。
最近、食に関する記事が続いていたので、たまには写真をアップしておかないと(笑)
とは言っても、最近あまり撮っていないので、今回の写真は以前グループ展に出展したものですが。
大四切サイズのモノクロプリントをデジで撮ってアップしました。

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写真、もっと撮らないとね。


# by neopan_ss | 2017-10-22 22:26

塩とんかつ

少し前であるが、暑い夏の日に「季節料理 今ぜき」を訪問した。
目的は、絶品と噂の「塩とんかつ」
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先付は「焼茄子すり流し・とうもろこし豆腐・葉唐辛子煮・トマト含め煮・南京サラダ」
夏野菜の五種だ。それぞれが涼しげでとても美味。この後のとんかつへの期待が膨らむ。

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出ました、リブロース200gのどでかい「とんかつ」。
パン粉は国産小麦で天然酵母、揚げ油は同じ豚の背油を使った自家製ラード100%とのこと。
このとんかつに九十九里産の海水塩をちょっと付けてかぶりつく。正に至福のひと時。
分厚くて食べ応え十分。こんなに美味いとんかつ食べたことない!!
胡瓜のぬか漬けと鉄砲漬も美味い。
なるほど、漬物を食べるとまたとんかつが食べたくなるというわけか。
また、とんかつを冷めにくくする為に器が温められてあるのだ。全てにおいて隙がない!

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この無農薬のキャベツもまた美味いんだ。自家製の玉ねぎのドレッシングも最高。
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とんかつを半分程食べたところでご飯を所望した。
一緒に出てきた豚汁には七種の夏野菜が入っていた。
ご飯も美味い、豚汁も美味い、大・大・大満足。
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このとんかつは塩だけで充分美味しいのだが、お試しで自家製のソースも出していただいた。
このソースも非常に美味しい。
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たまたま作ったという韮のカレーもサービスで出していただいた。
どでかいとんかつに、ご飯おかわり、豚汁おかわり、キャベツおかわりで、
もう腹一杯なのに、このカレーもペロリとたいらげてしまった。
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デザートは、すいかのシャーベット。
ごちそうさまでした!もう参りました!という感じ。

今まで行ったどのお店でも、とんかつ専門店でも、これ程美味しいとんかつに出合ったことはないです。
これは絶対、また食べたいですね。
ただ、今ぜきさんによると、とんかつには旬は無いけれど
より美味しく召し上がっていただく為に、とんかつと相性が良い胡瓜のぬか漬けを出している
7月~9月に主にこの塩とんかつを出しているそうです。
でも、そうは言ってもこの美味過ぎるとんかつは一年中食べたいものです(笑)
今ぜきさんに電話してしつこくお願いすれば、きっと出してもらえる・・かも??


季節料理 今ぜき
千葉県八街市八街ほ33-29
043-444-2383




# by neopan_ss | 2017-10-01 14:40 |

早春のパスタ ~ 「季節料理 今ぜき」にて ~

「からすみのパスタと燻製のパスタも美味い」と噂に聞いていたので
またまた「季節料理 今ぜき」へ行ってきた。
(写真は以前撮ったもので、この日は実際には昼に伺いましたが)
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実は昨秋にお邪魔した際に、干してあったからすみをこっそり盗み撮りしておいた(笑)
この時からずっと、このからすみ美味そうだなと思っていたのだ。

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【先付】
せぐろ胡麻漬・生海苔佃煮・めかぶすり流し・ふきのとう揚煮・田芹きんぴら

「せぐろ」とはカタクチイワシのことで、せぐろの胡麻漬は九十九里が誇る天下一品の郷土料理。
日本広しといえども、このせぐろの胡麻漬に匹敵する料理はそうそう無いと思う。

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【からすみパスタ】

出ました、待ちに待った「からすみパスタ」
こんなに沢山のからすみが入ったパスタ、見たことない!
深い器なのでワシワシと混ぜやすい、食べやすい。
息つく暇もなく一気にペロリ。
あしらいのほうれん草で器に残ったからすみを一粒残らず拭って食べて大満足。

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所望して自家製の麺を見せていただいた。
使用している小麦粉は、今ぜきさんでいつも天ぷらに使っているものと同じ地場産の「農林61号」。
当たり前だが、からすみも自家製ならパスタも自家製なのだ。

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【五目カルボナーラ】

からすみパスタで大満足しているところへ、ドンと出てきた「五目カルボナーラ」。
そう、早春のパスタはもう一種類あったのだった。
このパスタは肉の燻製がゴロゴロ入っていて、これまた物凄く美味い!
オリーブ油ではなく胡麻油を使い、にんにくや唐辛子、乳製品は用いずに、使っているのは卵のみ。
なのに濃厚で実に美味い!!
こちらも食べ始めたら止まらずに、一気にたいらげた。
こちらのあしらいはほうれん草ではなく、小松菜。こういうところも芸が細かい。
勿論、器に付いた卵は小松菜できれいに拭き取って食べました。

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五目カルボナーラに入れている燻製を見せていただいた。
<房総捕獲猪のロースと豚のバラ・トントロ・ハツ・タン>
それぞれに特徴があって持ち味があって、噛み締める楽しさがあった。
なんか、器も素晴らしいなぁ~。

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【止め椀】
のげのり糸こんにゃく清汁

この清汁を飲むと、2種のパスタを食べて膨れたお腹がす~っと軽くなってすっきりするので、満腹を忘れる(笑)

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【甘味】
金柑蜜煮

いつもながら、種をきれいに取り除いてある。
今ぜきさんで食事をすると、器以外には綺麗さっぱり何も残らず、実に気持ちが良い。

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今回も腹一杯になった。
今ぜきさんでは、ちょっと物足りなかったということはなく、
必ず満腹になるのだ。

また、今ぜきさんではカレーを出すこともあるし、今回のパスタもそうだが、
何を注文しても出てくるのは正真正銘の日本料理なのだ。
日本料理の真髄に触れたいなら、ぜひ一度「季節料理 今ぜき」へ!

・・って、何だか最近、モノクロ写真のブログではなくて「季節料理 今ぜきブログ」みたいになっていますが(笑)
それだけお気に入りで世に広めたいお店ということなのです。
でも勿論、写真も忘れていませんよ。
最近はあまりモノクロで撮っていませんが、デジカメで撮ったものとか、これからも時々写真もアップしていきますよ!!

等々と思いつつ、今関さんが今度は筍が美味しいと言うので、それを楽しみに待ちたいと思います(笑)
二十四節気の啓蟄はもうすぐ。
大多喜産の筍、非常に楽しみです。



# by neopan_ss | 2017-02-20 22:20 |

おせち  ~ 「季節料理 今ぜき」にて ~

先日またまた「季節料理 今ぜき」へ。
今回は写真家Ryu Itsukiさんと伺った。
お正月ということで、おせちが出たのだが
「今ぜき」さんのおせちは
その辺のデパート等のおせちとは別物であった。

そこには<祈り>と<願い>のこもった
これぞ「ほんまもんのおせち」があった。

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【祝い肴三種】
田作り・数の子・たたきごぼう
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【黒豆】

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【おせち】
ひらめ昆布〆・穴子昆布巻・時鮭帖巻・わかさぎ南蛮漬・石もち蒲鉾
芝海老蒲鉾・芝海老伊達巻・車海老芝煮・渡り蟹羹・いいだこ芝煮
あおりいか松笠・和牛うど八幡巻・鶏酒蒸し・錦玉子・きんとん・薯蕷饅頭
紅白なます・蓮根甘酢漬・菊花蕪・黒豆羊羹・干柿黄味寿し

まるで宝箱だ!!

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【椀】
芝海老しんじょ清汁

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パカッと開けると、とても良い香り。

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【雑煮】
使われている海苔や鰹節などもみな地元のものなのだ。
はば海苔(天津産)
青海苔(一松産)
青とび海苔(富津産)
鰹節(千倉産)

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【甘味】
黒豆茶巾

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全てのもの一つ一つが、しみじみ美味しかった。



調味料から一切妥協しない「今ぜき」さんは
イチオシのオススメのお店です。

季節料理 今ぜき
千葉県八街市八街ほ33-29
043-444-2383


# by neopan_ss | 2017-01-08 20:22 |